病院から自宅への橋渡し。退院前カンファレンス
高齢の方が入院し治療を受けて退院する時に、入院前に比べると状態が大きく変化している事が良くあります。
具体的には、肺炎は治ったけれど歩けなくなった。トイレに行っていたのに、おむつになった。食べられなくなって胃ろう(外から胃に直接管を通し栄養をいれるもの)になったなどです。
これまでと異なった状態になってしまい、家に帰るには本人も家族も不安が募ります。そこで、自宅への退院を円滑に行う為の話し合いがもたれます。
今日は自宅へ帰る準備のお話しです。
退院前カンファレンスとは
入院している患者が退院が決まって、自宅に帰る前に、退院後の生活が円滑に進められるよう、事前に関係者が集まって話し合う会議です。通常は入院中の病院で行われます。
参加者は、おおよそ以下のようになります。
- 患者家族、場合に寄っては患者本人
- 病院側:主治医、看護師、リハビリスタッフ、地域連携室のソーシャルワーカーなど
- 在宅での受け入れ側:ケアマネージャー、在宅医、訪問看護師、ヘルパー、デイサービスやショートステイのスタッフ、介護用品業者など
話し合う内容
はじめに病院側からの説明があります。具体的には、次のような内容の説明が行われます。
- 今回入院の原因となった病気の治療経過
- 現在の状況
- 今後の治療方針
- 退院後も病院受診が必要か否かなどの説明
- 食事、移動、排泄、入浴の日常生活動作はどの程度できるのか
- 介護はどれ位必要か
受け入れ側からは、上記の説明に対して、自宅で必要な医療行為や薬の確認、自宅生活で注意すべき点、急変時の病院の受け入れなどを質問して話し合います。
そして、自宅に帰るに当たって、導入が必要なサービスを調整する事になります。
また、介護保険の申請など退院前に必要な手続きを病院側に行ってもらいます。
退院前カンファレンスのメリット
次の3つが大きなメリットです。
- あらかじめ予想される事態に対して、準備が出来た状態で退院する事になりますので、本人・家族の安心感が生まれます。
- 本人・家族と在宅関係者が一堂に会するので、顔の見える関係作りが出来ます。
- 病院側との今後の連携が行いやすくなります。