認知症の初期症状について
認知症を発症すると本人もとても辛いのですが、家族も非常に大きな影響を受けます。
始めはささいな物忘れかと思っていたら、徐々に進行してゆくのが認知症です。
物忘れとの大きな違いは、ヒントなどがあれば思い出すことが出来るのが物忘れで、ヒントを出されても思い出すことが出来ないのが認知症です。記憶が頭の中からすっぽりと抜け落ちてしまうために、ヒントを貰っても思い出しようがないのです。約束を忘れてしまう。いつも同じことを繰り返し聞く。こういったことから始まります。
そうこうしているうちに、自分の年齢がわからなくなります。生年月日は正確に言えるのに年齢が答えられないのは何故でしょう?
生年月日は変わることなく常に同じです。一方、年齢は毎年更新されてゆきます。年齢が言えるためには、誕生日を過ぎるたびに、今までの年齢に1つ加えた数が新たな年齢であると認識しなければなりません。この『新たに覚える』という作業ができなくなります。
認知症の方の場合でも、昔から慣れ親しんだ作業は滞りなく行うことが出来ます。ところが新しい知識を入れることが出来ませんので、新しい家電の使い方はわからなかったりします。足し算や引き算の簡単な計算も出来なくなります。
比較的初期の認知症の症状で、家族が1番困るのが『もの盗られ妄想』です。
大切な財布が自分の思っていたところから無くなっている。自分の中には別の場所に置いた記憶が全く無い。そうなると身近にいる誰かが取ったのではないかと考える。これがもの盗られ妄想の思考パターンです。最もターゲットになりやすいのは介護をしているお嫁さんです。
認知症初期の段階では他人からはわかりにくいため「ヨメがお金を取った」と言えば真に受ける人も出ます。そうなるとお嫁さんは非常に辛い思いをします。
まだまだこの他にもたくさんの症状が出て、最終的には寝たきりになるのが認知症です。
続きはまた別の機会に取り上げます。