薬との上手な付き合い方


ポリファーマシーという言葉を聞いたことがありますか?
薬が多いことを云います。
「薬の飲み過ぎを見直しましょう」という流れは、ここ最近よく話題に上っています。

Prescription Pain Pills spilling out of a bottle

クスリリスク』という言葉があります。
もともとクスリは病気を治したり、体の症状を軽くしたりするために使われます。
しかし良いことばかりではありません。クスリは体にとって異物です。体にとって良くない反応も起こります。これを副作用とか副反応といいます。どんな薬も大なり小なり副反応があります。よく漢方薬は安全と言われることがありますが、決してそうではありません。漢方薬でも副反応はあります。
薬は、飲むことのメリット(治療や症状緩和)がデメリット(副反応)よりも大きい場合に使用するのが基本的な考え方です。

ところが高齢者の場合、病気がひとつだけということはなく、ほとんどの方が複数の疾患を抱えています。例えば高血圧と不整脈があって内科に、腰痛と膝痛で整形外科に、頻尿で泌尿器科に、白内障で眼科にといった具合です。医師は患者さんにとって良かれと思って処方します。
さて、それぞれの診療科で薬を処方されるとどうなるでしょうか?
すぐに毎日10種類以上の薬を飲むことになります。多い方では1日に30個錠剤を飲んでいた方もいます。こうなると薬と水だけでもうお腹が一杯になりますよね。

実はくすりは2つ以上飲んだ場合に、くすり同士が悪影響を及ぼすことがあります。薬の作用を弱めたり、強くなったりするのです。そして転倒、ふらつきや意識障害の原因になったりもします。
これは薬の数が多くなればなるほど複雑になります。したがって薬はたくさん飲めばいいという事ではないのです。もちろん薬代もかさみます。

そこで薬を出来るだけ減らしてみましょうというわけです。
一般的には5種類までにしましょうといった話もありますが、単純に薬の数を減らせば良い訳ではありません。
処方する医師は『薬同士の相互作用があるものはやめる』、『一つの薬で複数の病態に効果があるものを選ぶ』、『薬の副反応に別の薬を出さない』などといった、患者さん一人一人のことを考えながら整理することが必要です。自院での処方にとどまらず、他院での処方にも気をとめることも当然必要になってきます。
患者さんもむやみに薬を欲しがらない、出来るだけ一箇所で一人の先生に全て診てもらえる医療機関を選ぶ、それが困難でも調剤薬局を一箇所に決めて毎回【お薬手帳】に記録して貰って受診の際に持参するなどの工夫が必要です。

せっかくのクスリです。上手く使ってゆきましょう。

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