デイサービスとショートステイ
介護にかかる家族の負担
在宅での介護には家族の協力が必要となることがほとんどです。中には独居で、外からのサービスが入ることによって生活が成り立っているケースもありますが、同居家族がいる場合には、必然的に家族の介護の役割が大きくなります。
日常の身の回りのことは自分でできるような、比較的介護度が低い方であればよいのですが、認知症があったり、脳梗塞後の麻痺があったりすると、目を離すことが出来ず、常にトイレや食事に介助が必要になります。こうなると家族の介護負担は相当なものです。
介護疲労と入浴困難
ヘルパーや訪問看護が入ることによって、介護をある程度は任せられる部分もあり、少しは自由な時間がとれることもあります。しかし、介護期間が長期にわたると疲労は蓄積します。
介護者が倒れるようなことになれば、患者の日常生活が脅かされることにもなります。また、疲労から虐待などに発展する恐れもあります。
特に入浴の介助は自宅では困難を極めます。狭いお風呂のなかで湯船に浸かり、体を洗うのは至難の業です。慣れた看護師や介護士でも2人がかりで行わなければならないケースもあります。
したがって体を拭くだけで入浴させられないこともしばしばみられます。
デイサービス&ショートステイの有用性
このようなときには、デイサービスを利用することが有効です。
デイサービスは朝お迎えが来て、入浴と昼食を済ませ夕方に送ってもらうサービスです。ゲームや体操、ちょっとしたリハビリなどが行われることも多く、季節毎の行事もしばしばあります。簡単に言えば幼稚園の高齢者版といったイメージです。
デイサービスを利用することによって、家族は昼間は家事に専念出来ますし、入浴の心配もありません。排便のコントロールもしてもらえます。
介護負担の軽減のためには欠かすことの出来ないサービスです。
デイサービスに更に泊まりがついたものが、ショートステイです。1泊から利用することもできますし、1週間など長期にも利用することが可能です。2日以上連続で利用すると、家族は全くフリーな日が確保できますので、介護にかかる心身の疲労を回復するためにはとても有効です。
また、冠婚葬祭や旅行などの際にも利用できるため、計画的に利用することで介護者のQOLを保つことが出来ます。
デイサービスやショートステイは介護保険の枠内で行いますので、調整役のケアマネージャーに相談することになります。
介護者の負担を軽減して、長期間持続可能な介護体制を整えることが大切です。