研修医には優しくしてね


みなさんが病院で対面する医者はどんな風に医者になり成長してゆくかご存じですか?

大学医学部で6年間勉強して、卒業時に医師国家試験を受けます。

Photo by Sean Locke www.digitalplanetdesign.com

数日前、その医師国家試験の今年の合格発表がありました。
今年は90%を超える合格率で過去10年で最高だった模様です。およそ9割が受かる試験なので簡単なのではと思われがちですが、試験は500問の複数選択中心のマークシート方式で3日間行われます。試験範囲は内科や外科をはじめあらゆる診療科に及び膨大です。基準点を上回れば合格というシステムではなく、必ず約1割を落とす試験になっています。
もともと医学部に入る人達ですから勉強が得意な人が多く、国家試験に合格しなければ始まりませんので、皆が必死で勉強することになります。その中で1割落ちるという訳ですから決して楽な話ではありません。

私は40代半ばでこの試験を受け、幸い合格しましたが、もしもう一度やれと言われたら不可能だったと思います。

その厳しい国家試験を合格した人たちが4月から晴れて医者となります。ところが大学では病気の事をしっかり勉強するのですが、患者さんに直接触れる機会がありません。そして採血などの処置や薬を処方することもほとんどな無いまま卒業します。医師の資格はありますが、何も出来ないのです。実地での訓練は、これから2年間かけてしっかりと行われます。これが初期研修医期間です。その後も、専門医を取るためなどの勉強が生涯続きます。

この春、病院に行く機会があれば若い研修医の先生が頑張っている姿を目にするかもしれません。おどおどしていて頼りなく見えるかもしれませんが、是非暖かく見守ってあげて欲しいと思います。

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