脳梗塞のあとのリハビリ


リハビリという言葉をよく耳にすると思います。
リハビリは英語のリハビリテーションを短くした言い方で、語源としては「再び適した状態になる」ことであり、障害をもった方が可能な限りもとの社会生活を取り戻すことを意味します。
リハビリには原因の疾患によって色々とありますが、今日は日常生活で比較的多い脳梗塞によるリハビリについてのお話しをします。

Human brain in abstract background

脳梗塞後遺症

脳梗塞になると、ほとんどの方に何らかの麻痺が残ります。

最もよく見られる後遺症は、体の片半分にあらわれる【運動麻痺】や、しびれなどの【感覚障害】、言葉が出てこない・ろれつが回らないといった【言語障害(構音障害や失語症など)】です。
脳梗塞の直後、ほとんどの方が、話もできず、手足も動かない状態になります。日常生活のほぼ全ての動作に介護が必要な状態になってしまうのです。

脳梗塞後のリハビリ

最近では早期に離床してリハビリを開始することによって、いったん麻痺した機能がより回復することがわかってきました。
このため集中的にリハビリを行なうことが一般的になっています。

リハビリは、脳梗塞発症直後~3週間までの【急性期】、病状安定後から3~6ヶ月程度までの【回復期】、それ以降の【維持期】の三段階に分かれています。

一般に急性期のリハビリは病院で、また回復期のリハビリはリハビリ病棟や専門施設で集中的に行われます。

この集中的にリハビリが受けられる期間は、病気によって決まっています。
脳梗塞の場合には、発症してから180日という期限が設けられています。急性期から回復期までの期間にあたります。この期限を過ぎると、自宅や施設に帰ってから医療保険や介護保険によるリハビリが行われますが、時間数が大幅に少なくなります。
せっかくリハビリによって手足の機能が回復してきたところで中断されてしまうのは、患者さんにとっても、リハビリを行うものとしても、とても残念なことだと思います。しかし大部分の方が、この期間内に日常生活ができる水準までに回復してるのも事実なので、限られた医療資源を有効活用する観点からは妥当かとも思います。

リハビリスタッフによるリハビリは確かに少なくなりますが、自宅や施設で日常生活を営みながら自分やまわりの家族、施設スタッフと行うのが、維持期のリハビリです。目的は、回復した身体的機能を維持してゆくことであり、生涯にわたって終わりなく行うことになります。

脳梗塞は医学の進歩もあり、死に直結する病気ではなくなりつつありますが、依然要介護となる原因としては1位の病気です。
出来るなら発症しないことがいいのですが、不幸にして発症してしまってもリハビリを適切に行うことで日常生活を取り戻せる可能性も十分あります。
本人もまわりの家族や施設スタッフもあきらめずにリハビリを継続してゆくことが大切です。

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