アルツハイマー型 認知症の症状と対応


『アルツハイマー型認知症』は認知症の中でも、一番割合が多く、皆さんが目にする機会も多いと思います。
今日は、『アルツハイマー型認知症』の症状と家族の対応についてお話しします。

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アルツハイマー型認知症とは

認知症の半分近くを占め、女性に多いといわれています。
原因は、加齢に伴い脳内に特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れる事によって起こると考えられています。海馬と呼ばれる記憶を司る部分が委縮することが特徴です。
このため、記憶障害が初期の段階から見られます。

アルツハイマー型認知症の症状

記憶障害

一般的な物忘れとの区別は、忘れている事を指摘されると「そうだ、忘れていた」と思い出すことが出来るのは物忘れです。一方、指摘されても、その時の状況などのヒントが与えられても全く思い出す事が出来ないのが『アルツハイマー型認知症』の症状です。これは、体験そのものが丸ごと頭の中から抜け落ちてしまうため、思い出す事が不可能なのです。

例えば、会う約束をしていたとしても、約束をしたこと自体を忘れてしまい、「そんな約束をした覚えがない」となってしまうところが、一般的な物忘れと違うところです。

判断能力の低下

『アルツハイマー型認知症』になると判断力も低下します。
例えば、料理をする際、調味料をどれくらい入れたら良いかとか、どんな食材を使うかなどの判断が出来なくなります。更に、症状が進行すると手順がわからなくなって、料理すること自体が出来なくなります。
掃除をする際、捨てる物がわからない、片付け方が分からなくなる為、部屋が散らかりゴミだらけになる事もあります。臭いにも鈍感になる為、ゴミが増えても気になりません。
また服がちぐはぐになったり、季節に合わない服を着たりする事もあります。

見当識障害(けんとうしきしょうがい)

まず、時の感覚が無くなります。現在の季節や、今日の日付や曜日、現在の時間が分からなくなります。時計を見ても時間が読めくなります。
次に、自分が居る場所が分からなくなって、買い物先などの良く行く場所で迷子になったり、自宅のトイレの位置さえ分からなくなる場合まで出てきます。

その他の行動・心理症状(BPSD)

「大事な物が無くなった、盗られた」と、家族を責めたりする『物盗られ妄想』や、外へ出てウロウロする『徘徊』、お風呂に入らないなどの『介護拒否』などがよく見られるようになります。興奮して『暴力・暴言』を言うようになったり、食べ物ではないものを食べたり、異常な性欲が出たりする事もあります。

家族の対応

このように、言動や持っていた能力が低下してゆくのを、家族が看ているのは辛い事です。
時には、「どうしてできないの」とか「何回、同じ事を言わせるの」といった言葉が、つい出てしまう気持ちも充分に理解できます。介護をしていると失望感や怒りが込み上げてくることでしょう。

しかし、『アルツハイマー型認知症』は病気なのです。『脳梗塞』で手足が麻痺した人に「どうして動かせないの」とは言わないと思います。それと同じなのです。したがって、辛抱強く対応するしかありません。ただ、家族だけで介護するには限界があります。
介護保険を受けている人であればケアマネージャー地域包括支援センターかかりつけ医などに、早めに相談する事が大切です。

早期に受診して、『アルツハイマー型認知症』と診断されたら、進行を遅らせる薬があります。
介護保険で使えるサービスも多数あります。
場合によっては、グループホームなどの施設の助けを求めなければいけないかもしれません。

早めの相談が大切です。

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