皮膚がピリピリ痛いは帯状疱疹かも
体に帯状に水疱や膿疱が出現して、表面がピリピリと痛くなったことはありませんか?
これは帯状疱疹に典型的な症状です。
本日のお話は帯状疱疹です。
帯状疱疹とは
ほとんどの方は、子供の頃に水痘 『水疱瘡』になったことがあると思います。水疱瘡を引き起こすのは水痘・帯状疱疹ウイルスです。このウィルスは一度体の中に入ると、出て行くことがありません。
体の脊髄の近くの神経節にじっと潜んでいます。
数十年もじっとしていて、何かの理由で免疫力が低下したり、体調が悪化した時には、神経根から出て来て暴れ出します。脊髄からの神経に沿って増殖して症状を引き起こすのです。
『水疱瘡』の時には全身に水疱が出ますが、『帯状疱疹』の時には特定の場所に帯状に水疱が集中するのに加えて、痛みが出現します。
診断
小水疱が帯状に広がる典型的な皮疹が出現し、その後、痛みが出れば比較的診断は容易ですが、始めに皮膚の痛みだけが出て皮疹が遅れる場合は、診断が困難な場合があります。
60歳代を中心に50歳代〜70歳代、アラフィフ世代から上の方に多くみられます。
しかし過労やストレスを抱える若い人に発症することもあります。
鼻の頭や耳に帯状疱疹が及ぶと視力や聴覚にも影響が出ますので、その場合には、眼科や耳鼻科の受診も必要になります。
治療
治療は、抗ウィルス薬を内服することが一般的です。症状が軽い場合には、抗ウィルス薬の軟膏だけで済ます場合もあります。
帯状疱疹後神経痛
ほとんどの人は数日から数週間で症状が消失します。しかし、中には『帯状疱疹』が治った後にも、その後、数年に渡って痛みが持続する場合があります。これを『帯状疱疹後神経痛』といいます。そうなってしまうと治療は困難で、現時点では有効な手立てがありません。
早い段階から抗ウィルス薬で治療した場合には、『帯状疱疹後神経痛』に、なりにくいとも言われています。
まとめ
皮膚の表面がピリピリと痛むと言う訴えは、『帯状疱疹』に特有のものです。
他の皮疹では、痛みが出る事は稀だからです。
ピリピリ痛いは『帯状疱疹』のサイン。早めの医療機関への受診をお勧めします。