激烈な痛み!『尿管結石』
突然、腰から背中が痛い。冷や汗タラタラ。じっとしていることが出来ないほど痛くてベッドの上でのたうち回る。あまりの痛さに気絶する。こんな症状があったら、どうしますか?
以前、救急車を呼ぶ4つのキーワードを紹介したことがあります。「急に・・・」「我慢できない・・・」などがあったら救急車ですよね。
この場合、命に関わる病気として『大動脈解離』なども考えられますが、よくある病気としては『尿管結石』です。
今日は突然の背中の痛みで救急搬送される病気『尿管結石』のお話しです。
尿管結石とは
尿は腎臓で作られています。腎臓は不要物を尿として排出し、体の中の水分やミネラルのバランスを保ったりしています。
尿は腎臓から尿管を通って膀胱に溜まって、ある程度溜まったところで尿道を通り、おしっことして外に出ます。
この尿の通り道のどこかに石ができて、尿の流れが悪くなった状態を『尿路結石』といって、特に腎臓から膀胱の間の尿管に石が詰まったものを『尿管結石』といいます。
男性の方が、女性よりも2倍以上なりやすいといわれています。
『好発年齢』つまり、発症しやすい年齢は40代前後と言われています。
おおまかに言えば働き盛りの男性に多い病気です。
アラフィフの方も要注意です。
症状
結石の痛みは『痛みの王様(king of pain)』と言われるくらいに激烈である場合が多いです。
一般に、血管や尿管などの『管』が切れたり詰まったりすると激烈な痛みとなるので、激しく動いて騒ぎます。
同様に腰や腹部が痛くなる病気であっても、『虫垂炎』などの腹部の炎症による場合には、動くと痛いので、じっとして耐えるのとは対照的です。
治療
石が尿管を通り抜けて膀胱に落ちると嘘のように痛みが無くなります。
したがって、痛み止めの坐薬を使って、点滴をして石が落ちるのを待ちます。
石が落ちない場合には、衝撃波や手術などが行われることもあります。
予防
予防法としては、次のことが言われています。
普段から水を多めに飲む(目安としては1日に2リットル程度以上)
但し、心臓に病気を持っている人などは別です。
水分の補給は麦茶・ほうじ茶・水道水が適しており、清涼飲料水・甘味飲料水・コーヒー・紅茶・アルコールの過剰摂取は避けること。
普段から適度な運動を行う。
就寝の直前に食事をとらない。
塩分を控えめに、シュウ酸の過剰摂取を避ける
シュウ酸が多く含まれる食品(ほうれん草・チョコレート・紅茶・たけのこなど)を摂ると、石になりやすいためです。