おしっこの管の話


脊髄あるいは前立腺に病気がある場合には、おしっこが出せなくなってしまうので、尿道カテーテルという管を入れることが良くあります。
病院は当然として、家で生活している人にも、この尿道カテーテルを留置している人が沢山います。

Close up photo of a urinary catheter with urine bag and sample container.
今日は、尿道カテーテルのトラブルについてのお話しです。

尿道カテーテルとは、

尿道口から膀胱まで入れる管のことです。長期に留置しておくときには自然に抜けないように、先端に風船(バルーン)が付いています。この為、通称【バルーンカテーテル】とも言います。

交換

通常は1ヶ月に一度交換することが多いのですが、詰まる場合には交換期間を短縮して2週間毎の人もいます。交換できるのは、医師、看護師、患者及び患者家族です。ヘルパーさんは交換する事は出来ません。

トラブル

カテーテル閉塞

良くあるトラブルとしては、尿中の浮遊物によってカテーテルが詰まってしまうことです。
詰まってしまうと、膀胱内に溜まった尿の出口が無くなってしまうので、下腹部が張ってとても苦しくなります。また、尿がカテーテルの脇から漏れて下着を汚すこともあります。

完全に詰まっていない場合には、「生理的食塩水をカテーテルから膀胱内に注射器で入れて、その後吸引する」ことを繰り返し行う(膀胱洗浄)事をします。これで浮遊物が回収できれば良いのですが、詰まりが解消出来なければ、カテーテルの交換になります。

中には膀胱内に出血があって、血塊によって詰まってしまう事もあります。

自己抜去

通常、カテーテルは自然に抜けないようにバルーンが付いています。時々『認知症』の方などでは、自分で管を引き抜いてしまう事があるので要注意です。その時に、バルーンが膨らんだまま抜いてしまうと、尿道を傷つけてしまうことがあります。

抜けた場合は、再度新しいものを挿入することになります。尿道損傷がある場合には、泌尿器科で診て貰う必要があります。
繰り返さないように、管を目立たないようにするなど工夫が必要です。

自身の体験

私が数年前心臓手術を受けた時に、数日間尿道カテーテルを経験しました。
男性ならではですが、強制的に固定される不快感は相当強く、「兎に角早く抜いて欲しい」と思いました。

人によっては、何年も留置している方がいます。必要不可欠な為にやむを得ないのですが、気の毒だと思っています。

できればカテーテルは着けたくありませんね

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