自由と安全


80代女性が1人で、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住んでいます。
ほぼ寝たきりですが、身の回りの事はある程度出来る方です。
ある朝、ヘルパーさんが訪れると、ベッドから頭を下にして、上半身だけ落ちた状態で発見されて、往診依頼となりました。

今日は、自由と安全との兼合いについてのお話しです。

Pretty young woman with arms raised standing on beach

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は都道府県で認可を受けた高齢者向けの賃貸住宅です。
高齢者が住みやすいように、バリアフリー構造となっており、食堂・共同リビング、居室内キッチン・トイレなど施設基準を満たしています。
住宅の条件は、60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者です。
希望により、訪問介護サービスを受けることが出来ます。

メリットは、高齢者が契約しやすい賃貸住宅であること、制約がほとんどなく自由に生活できることがあります。

一方デメリットは、一般住宅と比較して賃料が高いこと、重度の介護状態では、基本的に住み続けられないことなどがあります。

往診

往診に伺うと、ベッドに横たわって寝ていました。意識レベルも普段と変わりはないようです。血圧や体温は普通です。
ヘルパーさんの話によると、発見時には頭や顔が腫れていて真っ赤になり、汗をびっしょりとかいていたそうです。

この方は、ベッド脇にご自分の必要な物を色々と置いて生活しています。それらを1人でも取りやすいようにと、ベッド柵は足元だけに設置されていました。それで、何かを取ろうとしたはずみに、頭からベッド下にずり落ち、自分では起き上がることが出来ずに、そのまま何時間か経過したのだと思います。

幸い特に異常は見られず、経過観察となりました。

今後の予防策

今後は、夜間はベッド柵を全て付けるかどうかがポイントになります。
ベッド柵を四隅全てに設置する事は、病院では身体拘束にあたるので、ご家族の同意を得る必要があります。

一人暮らしの高齢者の危険は、ベッドからの転落以外にも転倒や窒息など、可能性を挙げたらきりがありません。安全を考えると、自由度が無くなってしまいます。

これは、本人の考えを尊重しながら決めてゆかなければならない問題です。

自由と安全のバランスが大切ですね

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