『爪の水虫』


足白癬』については、以前お話ししたことがあります。
今日は、『足白癬』が進行した『爪白癬(爪水虫)』のお話しです。

Beauty treatment of a female feet with camomile's flower around it

『爪白癬』とは

手足の白癬が進行すると爪の間に白癬菌が侵食して、爪自体が【白癬菌】に感染した状態になっている症状である。(『Wikipedia』より)

『爪白癬』の症状

長時間ブーツなどを履いていると、爪に付着した汗や垢などの汚れが蓄積して、これが白癬菌の温床となる場合や、爪と隣接する指先がまず水虫となって、そこから爪の間へと感染する事によりゆっくりと進行してゆく場合があります。

初期の段階では、爪の先の色が白くなるだけで自覚症状はありませんが、次第に指側に侵食していって、最終的には爪全体の色が、白色→黄色→黒色に変色します。

『爪水虫』となった爪は、盛り上がったように生えてボロボロと崩れてしまいます。それによって、新たに白癬菌をばら撒いて、更なる水虫の原因となります。

治療

通常の水虫の場合には、スプレーや塗り薬のような外用薬を用いることが多いですが、爪水虫の場合は、外用薬では治らないとされていました。爪には薬剤が浸透しにくいためです。
したがって、根治の為には【内服薬を3ヶ月から1年程度服用】することが一般的でした。

ただ、内服薬で爪の先まで効果が及ぶ為には、外用薬に比べ薬剤濃度を高く保つ必要があり、肝臓を悪くする等の副作用が心配です。この為、内服の場合には数ヶ月毎に通院して、血液検査で肝臓に問題が無い事を確認する必要があり、手間と時間がかかるのが難点でした。

数年前から爪白癬用の新たな【塗り薬(クレナフィン)】が保険適用になりました。
治療期間は12ヶ月で内服薬と変わりませんが、副作用が少ないことがメリットです。
ただ非常に高いことが難点です。

高齢者の場合

高齢者の場合で、歩行が余り出来なくなっている方の場合には、長期間内服や高価な薬を使用することが現実的ではありません。
したがって、足白癬用の外用薬を足に塗る時についでに爪にも塗ってもらいます。保険適用はありませんが、長期に使用すると多少は効果があるようです。

爪が変形して大きくなってくると、靴下を脱ぎ履きするとき等に引っかかり、場合に寄っては爪が取れてしまうことがあります。こうなると、出血しますし痛みも伴いますのでなるべく引っかからないように爪切りで切る必要が出てきます。
ところが、肥厚や変形が強い場合には、普通の爪切りでは切れなくなります。
そこで重宝するのが【ニッパータイプの爪切り】です。これで、削るように切ることができます。
また、時に爪がぐらついて取れてしまいそうな場合は、麻酔薬を使って爪を抜くことも行います。

高齢者の場合には爪白癬になっている人の割合が非常に高いのが特徴です。
介護をされている方は、爪にも良く注意して下さい。

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