在宅診療のサポーター


金融機関から在宅診療の世界に飛び込んだ方がいます。
お母さんの介護の為に「介護離職」をして「在宅診療」について初めて知り、それがきっかけで、再就職は在宅診療クリニックを選択したそうです。

今日は、在宅診療へ関わるようになった人のお話です。

訪問診療への関わり

「訪問診療」は知る人ぞ知る存在で、まだまだ一般的に浸透しているとは言い難い診療形態です。ご家族に『脳梗塞後遺症』や『がん』で自宅療養が必要となって初めて、その存在を知る人が多いのです。始めのうちは、家でどんな診療が出来るのか、病院との違いはあるのかなど、分からないことが多くて、不安に思われる方もいることでしょう。

しかし、定期的に訪問して診察をさせていただく中で、自宅で過ごす安心感や満足感が生まれ、最期に「看取り」をさせて貰った後には、感謝のお言葉を戴けることがほとんどです。

その後、冒頭の方のように、一緒に仕事をする仲間になることも中にはあります。仕事でなくても、患者会に「看取り経験者」として出席したり、ボランティアに参加したりと、何らかの形で在宅診療に関わるようになる方も結構いらっしゃいます。いわば「在宅診療サポーター」になるのです。

自宅看取り

配偶者や家族の死は、とても悲しいものです。
現在は、核家族となり家族が少なくなって、自宅で「家族の死」を迎えた経験のある方はほとんど居ません。「死」が特別な、遠い存在になり、病院で死を迎えるのが当たり前になっています。
その状況で自宅での「死」を選択するのですから、非常に勇気が要ります。

しかし、自宅での「死」を経験すると、「死」と云うものが、身近な普段の生活の延長線上にあると実感できます。最後まで誰にも邪魔されず、家族との濃密な時間を過ごすことが出来るのです。

これからも、在宅診療サポーターが増えて行くように頑張りたいと思います。

 

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