よく寝てますか?
『春眠暁を覚えず』といいますが、もうすぐ春です。みなさん良く寝られていますか?
寝られないという症状は結構深刻で、たくさんの方が外来を受診されます。
本日は不眠症のお話しです。
不眠症の分類
不眠症は大きく三つに分類されます
- 寝つきが悪い『入眠障害』
- 夜中に何回も目が覚める『中途覚醒』
- 朝早く目が覚める『早朝覚醒』です。
治療は生活習慣の見直しから
まずは、自分の睡眠の状態を把握する必要があります 。
例えば、夕食と就寝の間の時間が短かい、コーヒーやお茶などの刺激物を夜間に飲む、過度なアルコール飲酒、パソコン・テレビを就寝直前まで見るといった、なにげなく繰り返されている生活習慣が、睡眠に大きな影響を与えていることがあります。
そのことに気づくことが治療のための第一歩です。
そのために『一日の生活パターンを記録する』ことをお勧めします 。
環境を整える
睡眠には環境も大きく影響します。騒音、振動、眩しさなどの環境は睡眠を妨げます。
可能であれば、こういった環境を整えることも大切です。
またストレスも大きく影響します。日常生活でストレスを完全に無くすことは不可能ですが、なるべく溜めないような工夫をするのも一つの手です。ヨガや瞑想、或いは軽い運動などを行うことがお勧めです。
薬物治療
このような生活習慣や環境などを整えても、なお不眠が続く場合には、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を検討します。
睡眠薬には効果が早く、すぐ切れるものと、効果がゆっくりで、長いものがあります。そして効力が弱いものと強いものがあります。これらをうまく組み合わせて症状に合う薬を少量から試すことになります。
ただ基本的にはベンゾジアゼピン系睡眠薬は依存を形成しやすいので3週間程度に期間を限定して使用することが大切です。
睡眠薬は使い方によっては満足のゆく結果が得られるものですが、一方で危険もあるということを認識することが必要です。
意外と知られていませんが、睡眠薬を常用していると生命保険に入れない場合もあります。
思わぬところで不利益を被ることもありますので使用には注意が必要です。