サービス担当者会議
以前、介護保険の要であるケアマネージャーについて取り上げたことがあります。(『ケアマネージャーは介護の要』)
介護保険を使って自宅で療養している人には、担当ケアマネージャーが主催している『サービス担当者会議』が開かれていると思います。
今日は、ケアマネージャーの仕事の一つである『サービス担当者会議』についてのお話です。
『サービス担当者会議』開催時期
ケアマネージャーとは、介護や支援を必要とする人が介護保険制度を利用して、自立した生活を送れるようにサポートする仕事です。
具体的には、ご利用者様やそのご家族がどんなサービスが必要なのか、ニーズを把握して『ケアプラン』を作成し、ご利用者様が適切なサービスを受けられるように自治体や各事業者に依頼したりします。
この【『ケアプラン』を新規に作成した場合】や、要介護認定を受けている利用者が【要介護更新認定を受けた場合】、要介護認定を受けている利用者が【要介護状態区分の変更の認定を受けた場合】の3つの時点で、サービス担当者会議を行わなければならないと決まっています。
その他、ご利用者の【状態変化等の問題発生時】にも適宜開催されます。
サービス担当者会議とは
サービス担当者会議の目的は、サービスを提供する担当者が一堂に会して、各担当者の【専門的な見地からの意見交換をすることによって、ケアプランの内容を高める】というものです。
出席者は利用者本人や家族、主治医、訪問看護師、ヘルパー、デイサービス職員、福祉用具業者など、利用者のサービスに関わるひとが対象となります。
一般的に医師は多忙のため、サービス担当者会議に出席できない事が多いのですが、私たち在宅医は患者(利用者)の情報が得られることと、多職種の顔の見える関係作りが出来ることから、可能な限り出席することにしています。
ここで大切なことは、各出席者が情報を共有して、【多職種協働のケアチームで援助しているという実感を持つ】ことです。
医師の場合は、医学的な側面に偏っていて、患者と直接かかわる時間が少ないことから、介護の視点についてや、日常生活の様子についての情報などが、どうしても少なくなりがちです。
また、介護職の場合は、薬や介護の面で注意すべきことを医療者から聞いておくことによって、安心して介護が行えるということもあります。
『情報』で特に重要なのは、【どのような状態像を目標とするかのイメージを持つ事】と、【今後予測されるリスクを知る事】です。
サービス担当者会議で検討した内容に沿って、ケアプランの報告や修正が行われるのはもちろんのことですが、この会議のメリットは、話し合いを通じた共通理解に基づき、担当者が役割分担を図りながら、主体的に取り組むということによって、チームワークを深めることが出来るということにあります。
更には、利用者やその家族が、担当者達が自分の為に知恵や方策を練っている場面を目にすることによって、これからの生活に前向きになることができるというメリットもあります。
サービス担当者会議は、在宅で療養生活を送ってゆくにはとても重要な会議です。