「酸素飽和度」とウェアラブル端末
【ウェアラブル端末(wearable device)】という言葉を聞いたことがありますか?
【ウェアラブル端末】とは、腕や頭部など、身体に装着して利用することが想定された端末(デバイス)の総称です。
ランニングの時に、脈泊や移動距離、消費カロリーを計測できるものなど、最近では色々と出回っています。以前は、医療機関でしか測れなかった心電図や酸素飽和度も、自宅に居ながらにして手軽に測れる時代が来ています。
さて、今日はその中の一つ、「酸素飽和度」についてのお話しです。
「酸素飽和度」とは
人間の体には「酸素」が必要です。
呼吸によって「酸素」を取り込み、不要となった「二酸化炭素」を排出します。健康な状態であれば、取り込んだ「酸素」は、血液の中の「ヘモグロビン(血色素)」という「タンパク質」に付いて全身に運ばれて行きます。
血液が赤く見えるのは、この「ヘモグロビン」の色に由来します。
「ヘモグロビン」には、2つの状態があります。1つは、「酸素」と結合した状態である「酸化ヘモグロビン(HbO2)」です。もう1つは、「酸素」と離れた状態である「還元ヘモグロビン(Hb)」です。
「血中酸素飽和度(SpO2)」は「ヘモグロビン」の中で「酸化ヘモグロビン」の割合を示します。血中酸素飽和度は百分率(%)で表し、一般的に97%以上が正常とされます。
「酸素飽和度」は血圧や体温、脈拍などと並んで、全身状態を把握する為の重要な指標(バイタルサイン)であると考えられています。
肺の病気や『肺炎』、また、気管が痰などで詰まったりすると、この酸素飽和度が低下します。
年齢や状態にもよりますが、酸素飽和度が90%を下回るようであれば、入院や【在宅酸素】を検討しなければなりません。
パルスオキシメーター
酸素飽和度と脈拍を同時に簡単に測れる機械が「パルスオキシメーター」というものです。
指に挟むだけで、数秒で計測する事が出来ます。体に負担がかかることもありません。
最近では、軽量小型化されていて、値段も随分と安くなりました。
在宅診療や訪問看護などでは、欠かせない物のひとつです。
今後の展望
今年もアップル社の「iPhone」や「watch」が新しくなるというニュースが出ています。
以前から、これら端末で酸素飽和度や血圧などの、健康に関連する数値の測定が出来るようになるのではないかとの噂もあります。
血圧や脈拍、酸素飽和度などが自動に計測されて、メールでお知らせしてくれたり、医療機関に報告したりといったサービスが実現するのも、それほど遠い話ではないでしょう。