『心筋梗塞』になってしまったら
『心筋梗塞』については以前お話ししたことがあります。(なったら大変、心筋梗塞!)
前回は、心筋梗塞にならないように予防するにはどうすれば良いかという、一次予防のお話しでした。今日は、実際に心筋梗塞になって治療を受けた方が、その後、再発予防のために何をしたら良いかという二次予防についてのお話しです。
『心筋梗塞』について復習
心臓は血液を体に送る為の、ポンプの働きをしています。心臓のポンプは心臓の筋肉(心筋)が収縮することによって働きます。
心筋には、常に酸素と栄養が必要です。心臓から出て直ぐの所から、心臓の表面を覆う様に3本の冠動脈と呼ばれる血管が出ていて、これが心筋に酸素と栄養を供給しています。
『心筋梗塞』は、この冠動脈が詰まって血流が途絶え心筋が死んでしまう病気です。こうなると心臓が正常に働かなくなり、最悪死に至ります。
日本人の死因のトップは『がん』で、2位は『心血管疾患』つまり、『心筋梗塞』です。
『心筋梗塞』になった後の再発予防(二次予防)
日本循環器学会などの心臓関係の学会が合同で作成した『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』によれば、生活習慣などの一般療法として、次の7項目を挙げています。
一般療法
- 食餌療法
- 運動療法(心臓リハビリテーション)
- 禁煙指導
- 陽圧呼吸療法
- 飲酒管理
- 『うつ』『不安症』『不眠症』への対策
- 患者教育
簡単に言えば以下のようになりますが、『心筋梗塞』を発症する前に比べて、より厳格に実施することが求められます。
- 血圧をコントロールすること
- 脂肪分の摂取は適度に、体重はBMI=22前後に保つこと(BMIとは体重kgを身長mで2回割った値)
- 糖尿病合併の場合はHbA1c7%未満にコントロールすること
- 禁煙すること
- 多量飲酒を控えること
- 歩行・走行・サイクリングなどの有酸素運動を毎回30分以上、週3回、出来れば毎日行うこと
- 睡眠時無呼吸症候群があれば治療を行う事
などです。
薬物療法
薬物に関しては詳しくは述べませんが、アスピリンなどの抗血小板薬や、脂質を抑えるスタチンを内服することになります。