多職種連携のための『見える事例検討会』


在宅で、患者さんがその人らしく生活をして貰える様に何が出来るのでしょうか。実は、医師の果たせる役割はそれほど多くはありません。ケアマネージャーや訪問看護師、ヘルパー、訪問リハビリ、訪問薬剤師などの多職種が、それぞれの専門を生かしながら関わることが不可欠なのです。

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今日は、多職種が関わる事例検討会のお話しです。

問題発生

患者さんを取り巻く環境に変化が生じて、問題が起こった時には、多職種で情報を共有して、解決手段を話し合う場が必要となります。

ひとつの事業所内であれば、比較的可能ですが、現実的には一堂に会して話し合いを持つ事は困難です。

そして、いざ話し合いとなっても、医師の前では遠慮して、他の職種の人はものが言いにくくて、どうしても医師主導でことが運び易くなり問題解決に至らないことがあります。

見える事例検討会

横浜の先生が中心となってはじめた『見える事例検討会』(『見え検』)は、「多職種が集まって話し合う為には、どうすれば皆が参加出来て前向きな解決策が生まれる場が出来るのか」を考えて作られました。

流れ

ここでは、参加者は資料を配られることがありません。ホワイトボードに書き込まれて行く【マインドマップ】を見ながら、質問や発言を行ってゆきます。

はじめに、症例提示者が簡単に困難事例を紹介し、困っていることを述べます。その後、聞き手の【ファリシテーター】がインタビュー形式で生活、環境、経済状況や介護、医学的な情報を聞いて、症例提示者がそれに答えてゆきます。同時に、書き手のファシリテーターはホワイトボードに聞き取った情報を書き込んでゆきます。

一通りの情報が網羅された後は、参加者から追加の質問を受けて、症例提示者が答えたものがホワイトボードに書き込まれます。
ある程度、意見が出そろったところで、課題を検討して、それぞれの解決策を考えます。
これらをまとめて、最後に「誰がどのように行動を起こすか」という【アクションプラン】を作成して終わります。

利点

『見え検』の良いところは、色々な情報が体系立てて整理されて、全体を俯瞰できることです。全体を見ることで、一見関係の無いと思われることにも繋がりがうまれたりします。また、皆がホワイトボードのマインドマップを見て発言する為に、自由に質問や意見が言える雰囲気になります。「話し合って終わり」ではなく、【行動可能なアクションプラン】まで落とし込むことです。

『見え検』を行うには、ファシリテーター役の人がトレーニングを受ける必要があります。
現在、私はトレーニング中です。

今後、困難事例に『見える事例検討会』を積極的に使ってゆきたいと思っています。

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