老老介護・認認介護について


アラフィフ世代は親から離れて暮らしている方も多いと思います。
両親が健康なうちは良いのですが、どちらかの体調に異変が起きると介護の問題が発生します。

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高齢者が高齢者を介護する、いわゆる老老介護が在宅診療の場面でもよく見かけられます。
中には軽度の認知症の方が重度の認知症の方を介護する、いわゆる認認介護もあります。
この場合、キーパーソン不在のため介護サービスの導入や入院の判断、終末期の選択に関して決定ができずに困難を極めます。

先週から新たに在宅診療が開始となった方の話です。患者は85歳の男性で、介護者である妻は89歳です。二人暮らしで、息子さん家族が30kmほど離れた所に住んでいます。
昨年2月に圧迫骨折をしてから徐々に歩くことが困難となり、今では一日のうちのほとんどをベッドの上で過ごしている状態です。今までは、何とか近くの診療所を受診していましたが、その診療所が3月末で閉院となったために、今回新たに訪問診療が開始となりました。
数ヶ月前から食事量も減っており、奥さんは食べない事を非常に心配しています。
ご本人はそれほど困った様子はありません。

特にこれといった病気を抱えているわけではなく、血液検査を行っても食欲低下の原因はハッキリしませんでした。圧迫骨折が引き金となり、体を動かさない事によっておこる廃用症候群になっていると判断しました。

これまではトイレ、入浴の介助、食事の世話などを奥さんが一人で行っていました。
そこで、新たに介護サービスを利用してヘルパーを入れることや、デイサービスを利用して入浴してもらうなどの提案を行いました。
しかし、まだ奥さんが一人で介護できること、夫は社交的ではなくデイサービスは好まないことから現在の生活を変えたくないとの意向でした。

典型的な老老介護のパターンです。このご夫婦の場合はお二人とも認知症はなく、こちらの提案にも十分理解をして頂ける方ですので訪問診療を続けながら当面は現在の状況で見守る事となりました。

認認介護については、また別の機会にお話しします。

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