子どもの教育には悩みます
今日は以前お世話になった指導医に久しぶりにお会いして色々お話しすることができました。
この方はアラフォー世代ですがお子様の教育問題には頭を悩ませているようです。自分も20年程前には息子の教育について色々と思い悩む事がありました。
今日は、私の息子が通った学校のお話しです。
私は息子を小学校1年から寮のある学校に入れました。いわゆる進学校や名門校ではなく、山の中で自由に過ごせる学校で、夫婦揃って校風が気に入ったからです。
当時私たちは関東に住んでいましたが、学校は和歌山県の山奥です。週末には新幹線を利用して帰って来ます。小学校低学年のうちは難波駅から新大阪の新幹線に乗せるまでシッターを雇って付き添いをお願いしました。
小学校と中学校があり、高校はどうしようかと思っていたら高校もできた為、息子は都合12年間山の中で生活しました。
この学校は、イギリスにあるサマーヒルという学校をモデルに『自由な学校』を掲げて、大阪市立大学教育学教授が職を辞して建てた学校です。もちろん正式に認可された学校です。授業は体験型が中心で、教科書を開いて机にじっと座って授業をするスタイルではありません。
中心にあるのが【プロジェクト】という授業で、小学校であれば1年から6年までの混合のクラスです。【プロジェクト】は担当の先生(この学校では『おとな』と呼びます)が、年度初めに「今年はこんな事をやります」というようなプレゼンをして『こども』たちは自分で学びたい【プロジェクト】を選びます。私の息子は6年間『工務店』という【プロジェクト】を選んでいました。『工務店』は本物の建物を建てる事を行いながら、数や言葉などをそれぞれの年齢に合わせて学んでゆきます。
この学校の特徴は『自由』を大切にしているところです。プロジェクトを選ぶ自由、授業に出ない自由もあります。ただ、ルールが無いわけではありません。ルールは皆の話し合いで決定されます。学校全体に関わる事について、小学1年生から中学3年生までの『こども』と、校長も含む『おとな』が共に【ミーティング】で話し合います。多数決をとる場合は、おとなもこどもも一人一票です。ただ、単に多数決をとることはせず、少数意見の人にも納得出来る形での解決を目指します。
集団生活の中ではいわゆる『いじめ』も、ある程度はあったと思います。解決方法はやはり、【ミーティング】によって行なわれて来ました。大人による指導では無く、いじめを受けてどんな気持ちになったか、何故いじめをしてしまったのか、それぞれ当事者に話して貰って皆で解説策を納得の行くまで話し合いました。何度か、乗っているはずの新幹線に乗れずに親は駅で待ちぼうけで慌てた事もありました。色々な事がありながらも、12年間通う事が出来て、息子も親もかけがえの無い時間が過ごせたと思っています。
今日指導医と再会して、学校の話題から昔の事を思い出しました。
学校の名前は『きのくに子どもの村学園』です。
全ての人に向く学校ではありませんが、こんな学校があるんだと何かの参考にしていただけたらと思います。