梅雨時の脱水に ご注意!
気温が上がってきて、真夏日が記録されるようになってきています。
以前、高齢者の温度感覚のところで触れましたが、この時期は高齢者が『熱中症』になり易い季節です。
介護をされている方は注意が必要です。
今日は『熱中症』の原因となる水分摂取についてのお話しです。
水分調整のメカニズム
人間の体は70%は水分と言われています。
非常に緻密なメカニズムによって、外がマイナス10度であっても、30度であっても常に体の中の水分は一定に保たれています。これを、ホメオスタシス(恒常性)と言ったりします。
では、どうやって水分バランスを取るかというと、余分な水分は尿として外に出します。
この働きをしてくれる重要な臓器が腎臓です。
腎臓は、水分調整以外にも体にとっての不要物を尿中に溶かして外に排出する働きもしています。
もう一つ、水分調整に影響を与えるのが発汗作用です。
温度が高いときには汗をかき、汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やします。
この時、水分を消耗しますので、腎臓が尿量を少なくすることで調整します。
しかし、尿は不要物を排泄する必要があるためゼロにはできません。
この限界を超えたときに体の水分バランスが崩れてしまいます。
1日に どれ位の水分を摂れば良いか
食べ物に含まれている水分も入れると、一日に 2〜3Lは必要だと言われています。
ただ、これも赤ちゃんや高齢者では異なります。
高齢者では新陳代謝が減っているためか、やや少なめでも良いかもしれません。
高齢者が脱水になる理由
高齢者はとかく水分を摂りたがりません。体の温度感覚も麻痺していて、暑さを感じなくなるからです。加えて腎臓機能も悪くなっていますので、体の調整機能が衰えています。
このような理由で脱水症になりやすいのです。
高齢者の脱水症状
脱水症になると、まず喉が渇きます。それから、次第に元気がなくなる、ぐったりするなどの症状が出現します。そのうち意識障害も出てきます。こうなると『熱中症』ですが、すでに体調不良を訴える事ができません。
このために、一人暮らしや昼間一人の方は発見が遅れることがあります。
真夏であれば、皆が脱水に注意が向きますが、この梅雨時には実は脱水による熱中症が多くて命取りになります。