よくある尿の病気『膀胱炎』
おしっこに関しては、色々な病気があります。
今日は、その中でも比較的多い『膀胱炎』についてのお話しです。
「おしっこが出る時に痛い」「尿の回数が多い」「尿意があるのにトイレに行っても、少ししか出ない」
これらの症状は、全て『膀胱炎』の症状です。
『膀胱炎』とは
尿が溜まる袋である「膀胱」に細菌が感染することで、膀胱に炎症が起こってしまう病気です。また、『膀胱炎』は、特に女性に多いです。
これは、女性は男性に比べて、膀胱から尿の出口(尿道口)まで続いている尿管の距離が短いことや尿道口と肛門が近いことから、細菌が外部から膀胱に入りやすいことが原因で、多く起こります。
『膀胱炎』の症状
「トイレが異常に近くなる(頻尿)」「排尿時の痛み」「尿の濁り」が、3大症状です。加えて、「排尿後も尿が残っているようでスッキリしない感じ(残尿感)」があったり、時には「血尿」が出ることもあります。
いずれの症状も、細菌が膀胱内で繁殖することにより、膀胱の粘膜が赤くただれるような炎症を起こして刺激に敏感になることが原因で起こります。
中には『切迫性尿失禁』という症状を起こすこともあります。これは「尿意を感じても、トイレに間に合わない」或いは「トイレに何とか間に合っても、ドアを占めた途端に下着を下ろしている間もなく漏れてしまう」といった症状です。これらの症状は、日常生活では大きな問題になります。
『膀胱炎』が悪化すると、細菌が腎臓まで登ってしまって高熱が出る『腎盂腎炎』になります。こうなると治療にも時間がかかります。
おしっこの問題は、なかなか相談しにくいと思いますが、早めに医療機関を受診する必要があります。
治療
治療は、抗生物質を3日から7日間程度内服することで、ほとんど良くなります。
治療中は、アルコールを控えましょう。
予防
『膀胱炎』は繰り返し起こる病気ですので、予防が大切です。
- 水分を多くとる
尿が近くなるからと言って水分を控えてしまうのは、膀胱の中に尿が溜まっている時間が長くなるので、返って『膀胱炎』を助長してしまいます。多めの水分で多くの尿を出しましょう。
- 疲れを溜めない
通常は免疫力が働いていますので、少々の細菌が膀胱内に入ってしまっても問題にはなりません。しかし、疲れが溜まっている時には免疫力も低下しますので、『膀胱炎』になり易くなります。疲れやストレスを溜めないように心がける事も大切です。
- 局所を清潔に保つ
女性の場合は特にですが、局所を清潔に保つ事が予防に繋がります。
注意
男性は比較的『膀胱炎』になりにくいのですが、もし男性で『膀胱炎』になる場合には、『悪性腫瘍』などの原因が隠れていることもあります。男性の『膀胱炎』は注意が必要です。