赤ちゃんの「B型肝炎ワクチン」
アラフィフの方の中には、おじいちゃん、おばあちゃんになっている人も多いと思います。私の周りにも娘さんが里帰り出産をされた方が居て、「毎日、夕方になって家に帰るのが楽しみなんですよ。」と目を輝かせています。
今日は、赤ちゃんの「B型肝炎ワクチン」についてのお話です。
「B型肝炎」と赤ちゃん
おじいちゃん、おばあちゃんは孫が可愛いくて、ついつい頬ずりしたりキスしたくなりますよね。この時、ごく少量の唾液や涙などが時に赤ちゃんの口の中に入ることがあります。殆どの場合は全く問題がありませんが、おじいちゃん、おばあちゃんの中に、もし「B型肝炎ウイルス」保菌者が居ると、赤ちゃんに感染することがあります。
『B型肝炎』は、基本的には「B型肝炎ウイルス」が血液を介して感染ります。1980年代には輸血で感染した方がたくさん出ました。一旦、ウイルスが体の中に入って慢性化すると、その後何十年かの潜伏期間を経た後に『肝硬変』や『肝がん』になることが分かっています。
高齢者の中には『肝硬変』や『肝がん』にはならず、「B型肝炎ウイルス」を持っているだけの保菌者が今でも沢山いると言われています。このような方は検査を受けなければ、「自分が保菌者である」ということがわかりません。
赤ちゃんは、生後6ヶ月位まではお母さんからの免疫を引き継いでいる為に、一般的には病気になりくくなっています。もし、生後6ヶ月以内に熱が出たり、ぐったりするようなことがあれば、急いで小児科を受診する必要があります。
ところで、『B型肝炎』についてですが、赤ちゃんは体の免疫力が弱くて、大人ではかかることがない唾液や涙によって感染してしまうのです。そして、一旦かかると慢性化する可能性が非常に高くなります。その子は、一生「自分は『肝がん』になるのでは」と不安を抱えて生きてゆかねばなりません。大変なことです。
『B型肝炎』の予防
「B型肝炎ワクチン」は、乳幼児期にきちんと接種すれば、ほぼ全ての人が『B型肝炎』に対する免疫(HBs抗体)を獲得することが出来て、将来の『肝がん』発症等を防ぐことが出来ると言われています。
2016年10月から、ようやく日本でも0歳児に対する【定期接種】が行われるようになりました。【定期接種】とは、国が指定したワクチンを「ある年齢の子供に対して、決まった時期に殆どの自治体では無料(或いは少ない自己負担)で予防注射を受けられる制度」です。
今までは、希望者が1万円から2万円の費用を払って打って貰うことが出来る任意接種のワクチンでしたので、高い自己負担額の為に殆どの方が受けていないのが現状でした。
住んでいる自治体から連絡が来ていると思いますが、もし引越しや連絡ミスなどで受けていなかったりする場合は、問合せてみて下さい。
お孫さんに近づくなとは言いません。ですが、大切なお孫さんが「ワクチンをちゃんと打っているか」お母さんに確認して下さいね