交通事故 直後に遭遇


現在の勤務先に来て、数ヶ月が経った頃のことです。午前の訪問診療に向かう途中で、女性が道路の脇に倒れて、人が集まっている所に遭遇しました。
交通事故が起こったと直ぐに判断できましたので、車を側道に止めて、看護師と共に現場へ駆けつけました。
今日は、交通事故のお話しです。

Running out of time

その場の状況

「右折しようとして歩行者をはねてしまった」と、呆然として片隅に立ち尽くしていた若い女性ドライバーが呟きました。はねられた人は高齢の女性です。
安全確保した上で、首(頸椎)を保護して、呼びかけましたが返答はありません。「意識レベルは強い刺激に対し反応がない(JCS 300台)」と判断しました。呼吸状態には特に問題はありませんでした。
既に119番通報はその場に居合わせた人が済ましていた為に、頸椎保護したまま救急車の到着を待つこととしました。
その間に看護師に血圧を計ってもらったところ「血圧160台、酸素飽和度98%」でした。眼球変異なく、時折両手を動かすことがあり、明らかな麻痺は確認できませんでした。意識レベルが悪い為に頭蓋内の損傷を疑われます。状態変化がないか観察しながら、救急車の到着を待ちます。じりじりと時間の経過が遅く感じられます。

警察及び救急車到着

5分後、警察が先に到着します。状況を口頭で、説明しました。
7分後、救急車が到着。「意識レベルはJCS3桁で高エネルギー外傷の疑いあり」と伝え、救急隊員に引き継ぎました。救急車搬入前に、嘔吐があったようでした。

この救急車到着までの7,8分がいつになく長く感じました。
路上でかがんで頸椎保護の姿勢をとってい為に、その後は両腕がしびれて聴診器も持てずに、午前中は使い物になりませんでした。幸い他の医者がルートを変更して、私の診療分をカバーしてくれました。

その後の経過

その後の経過が気になっていましたが、翌日の朝刊には交通事故死亡記事がありました。警察の発表では被害者は82歳女性、ドライバーは29歳の女性だったようです。青ざめた若い女性のことが思い出されました。

交通事故では亡くなった方はもとより、そのご家族も突然の事で、とても辛い思いをされると思います。
運転していた加害者の方も、ついうっかりの不注意からその後の人生に大きな傷を背負う事になります。

仕事柄、車を走らせる事の多い身の上ですので交通事故を起こさないように気をつけなければならないと改めて思いました。

注意一秒、怪我一生ですね

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