歯!大事ですよ
今日の話題は『歯』です。
8020運動
『8020運動』をご存じでしょうか。「はちまるにーまる」運動と呼び、80歳で20本の歯を残しましょうという運動です。
歯は健康に大切ですよということで、1989年に当時の厚生省が提唱し、その後、普及のために様々な取り組みが行われるようになりました。
訪問診療を行う先で、口の中を拝見しますが、なかなか20本残っている方はいません。
総入れ歯や部分入れ歯の方が多く、また、それらが上手くフィットしていなくて調整が必要な方が多い印象です。
歯は消化器
歯は体の器官でいえば消化器に当たります。
消化器というと、胃とか腸とかを連想しがちですが、歯も消化器の一部なのです。
人間の体はよく『ちくわ』に例えられます。上の穴が口で、下の穴が肛門、真ん中が胃や腸という訳です。
歯の働き
咀嚼・消化促進
歯は硬いものを嚙み砕く働きをします。噛むことを咀嚼(そしゃく)といいます。食べ物をかみ切ったり、すりつぶしたりしながら唾液と食べ物を混ぜ合わせ、塊にして飲み込むという働きを助けています。唾液と共に良く咀嚼することで、消化促進が進み胃の負担が軽減されます。
しかし、歯が無くなると咀嚼が上手く出来なくなります。そうなると丸呑みするしかありませんので、大きいものや、硬いものは食べられなくなって軟らかいものが中心となります。
発声・発音
発声にも影響があります。特に前歯が無かったりすると、はっきりと発音することが出来ません。相手に聞き取って貰えなくなると萎縮して、会話を楽しむ事も少なくなります。
味覚
ピーナッツを噛んだ時などの「カリッ」とした歯ざわりや歯ごたえなどの味覚に対する影響があります。様々な食感が美味しさや食欲に結びつくからです。
容貌
美しい顔の表情をつくるにも一役買っています。歯が無くなると頬がこけたようになって年齢が10歳ほど老けて見えてしまいます。その為に人と会うのが億劫になったり、性格にも影響を与えてしまいます。
歯と脳の関係
物を噛む行為は、脳を刺激するという事がわかっています。歯と歯を噛み合わせた時の刺激は、脳に伝わって感覚や運動、記憶や思考、意欲を司っているところを活性化するといわれています。要は良く噛むと頭に良いわけです。
また、良く噛むことによって満腹中枢が刺激を受けて、いつもより少ない量の食事でも満足してダイエットにもつながります。
健康への影響
虫歯や歯周病になると、歯が無くなる以外に健康にも影響が出ることが分かっています。目や心臓、腎臓、皮膚、関節などの病気を引きおこすといわれています。
健康な体を支えるためにも歯は大切です。
その大切な歯を守るため、健康的な生活を送るためにも歯の手入れに注意して、いつまでも自分の歯で噛めるようにしたいものですね。