鼠径ヘルニア知ってます?


『ヘルニア』というと何を思い浮かべますか?
『ヘルニア』とは臓器や組織が、本来あるべきところから外にはみ出てしまう状態のことを言います。

Poster illustrating the condition of Hernia
『ヘルニア』の名が付く代表は『椎間板ヘルニア』と『鼠径ヘルニア』です。
どちらもアラフィフの方に多い病気ですが、本日は『鼠径ヘルニア』のお話しです。

鼠径(そけい)ヘルニアとは

鼠径(そけい)とは足の付け根の腹部との境界を言います。
腹部の内臓が落ち込まないように、鼠径部の筋膜で支えられています。
筋膜は年齢とともに、次第に緩んできます。本来ならば、お腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜の間からはみだして、皮膚の下に出てくるのが『鼠径ヘルニア』です。
一般的には『脱腸』とも呼ばれています。

どんな人に多い?

40代以上の男性に多く起こります。アラフィフの方、要注意です。

『鼠径ヘルニア』の発生には、職業が関係していることが指摘されています。腹圧のかかる製造業に従事していたり、立ち仕事をする人に多く見られます。

便秘気味で、いつもいきまないと便が出ない人や、肥満の人も要注意です。

鼠径ヘルニアの症状

初めは、鼠径部に膨らみがあり、押すと元に戻ります。
突っ張り感や違和感がみられることもあります。
この時点では痛みもありません。

進行すると膨らみが大きくなり、硬くなって容易には元に戻らなくなります。
鼠径部を通る血管や神経が圧迫されたり、腸が詰まってしまうと強い痛みが出てきます。
腸が詰まることを『嵌頓(かんとん)』と言いますが、『嵌頓』をおこすと腸が壊死してしまうために、緊急手術が必要になることもあります。

治療

治療は外科的手術しかありません。
手術は比較的安全で、数日の入院で行われます。日帰り手術を行っている所もあります。

出来れば、初期の段階で、医療機関を受診し、早期に手術することが大切です。

アラフィフの男性。鼠径部の膨らみに気がついたら早めに受診してくださいね。

Follow me!


前の記事

他人の痛みは分かる?

次の記事

血圧のはかり方