グリーフケア
大切な人が亡くなったときは、誰でも悲しいですよね。
葬儀のあと初七日、四十九日、一周忌、三回忌など法要が続きます。
徐々に間隔が長くなりながら、その都度故人を偲び集まります。
昔からの風習はこの悲しみを癒やすことを目的に作られているように思います。
家族を失った悲しみや喪失感から、人は一時的に気分がふさぎ、やる気が起きず、食事もとれない状況になります。これは誰にでもあることです。通常は時間と共に解消され、やがて日常生活に戻ることが出来ます。しかし、中には悲嘆が続いて、抑うつの状態が長くなり、元の生活に戻れない方がいます。
このため亡くなって一定期間が経過したところで残された家族のケアを行うために医療機関から訪問することがあります。
このことをグリーフケアといいます。
先日、グリーフケアをおこないました。
亡くなった方は90代の女性で、60代の娘さんがひとり介護していました。
尿管結石で入院中に血管がつまる閉塞性動脈硬化症をおこし、左足を切断するかどうかの決断を迫られました。
いろいろ悩んだ末に、切断しないで自宅で看取る覚悟で退院されました。
入院前より訪問診療は受けていましたが、私が関わったのはこの時点からでした。
四十九日が経過し訪問しました。そのときの様子です。
生前撮った食事中の動画を見たりしながら過ごしています。
C病院に尿管結石で入院中に閉塞性動脈硬化症となり切断するか直ぐ決めてくれと言われ、
誰にも相談せず、しない事に決めた。切断したら元気だったのだろうかと、今でも思うことがある。
親子喧嘩もしながらの毎日でした。
母は勝気で寝たきりなのに家出すると言ったりしたことを思いだします。
遺影は診療所で撮ってくれた誕生日の写真です。
Y先生がこれを撮ってくれる時に、遺影に使うのできれいにとってと言っていたのが
本当になりました。
今でも夜2時位に声が聞こえるような気がして目が覚め、その後寝られません。
食事は1回作ると3日同じものを食べています。
介護中はショートステイの間にあれもしよう、これもしようと計画し行動していましたが、今はその気力もありません。
友達はいるのですが、まだ勤めている方ばかりで、平日は会えません。
娘は「仕事をしたら、ボランティアでもいいし」といいますが、その気力がでません。
友人を誘って八十八カ所巡りツアーに参加する予定でしたが、友人がキャンセルとなり、結局一人で参加する事になりました。
診療所や看護ステーションの方には本当にお世話になりました。
在宅で亡くなるのはいいと思います。
亡くなった時もゆっくり時間を過ごすことができました。
悲しみから軽度の抑うつ状態があるようでした。
普通の生活にもどるには、もう少し時間がかかるようです。