熱が高い!さあどうする?
病院受診をするかどうかを判断するときに、体温は1つの目安になります。発熱の定義にはいくつかありますが、一般的には37度4分以上をいいます。
発熱があるときはどんなときでしょう。
すぐ思い浮かぶのは、例えば風邪やインフルエンザのようなウィルス感染や、肺炎や尿路感染症のような細菌感染に代表される急な病気のときです。
ただ、これらの病気であっても体温が高いことと病気の重症度は必ずしも一致しません。
確かに40度を超えるような高熱の場合には、急を要する重症度が高い病気が隠れていることが多いのですが、最近の電子体温計は予測値で出すことが多く、40度以上となることが結構あるのです。5分程度連続で計測し本当にそれほど高熱なのかを見極めることも大切です。
発熱は体の防御反応です。体温を上げることによって外敵から身を守っているのです。
しかし、お年寄りの場合には、熱を上げるだけの体力がなくて、熱が上がらないこともあります。また、お年寄りでなくても敗血症などの重症度が高い病気の場合には、逆に体温が下がることがあります。
病気の重症度を判定するには、発熱があるかに加えて、意識状態がどうか、脈拍はどうか、呼吸回数はどうか、血圧はどうか、おしっこが出ているか、痛みがあるかどうかなどを総合的に見て判断します。
熱が高いからといって慌てる事はありません。
発熱時の対応としては、手元に熱冷ましがあればそれを飲んでもらって、氷枕をしたり脇や首を冷やしたりすることで、一時的ではありますが熱は下がることがほとんどです。
熱冷ましの種類にはボルタレン、ロキソニン、バファリンのようなグループ(NSAIDsといいます)とカロナール、アンヒバのグループ(アセトアミノフェン)があります。
前者は熱を下げるだけでなく炎症を抑える作用があります。後者は熱を下げる作用のみです。
痛みが強い場合にはNSAIDsを使うことが多いのですが、副作用も強く他の薬との作用もあるため、単に熱を下げるためだけであればアセトアミノフェンを使う事が多いです。
高熱の場合には体力を消耗しますし、倦怠感もありますので、我慢せずに熱冷ましを使った方が良いと思います。一般的には38度5分以上で内服をすすめられています。
医療者の立場で考えると、体温が高い事は1つの目安に過ぎません。その原因が何であるのかが大切なのです。
医療機関を受診する際には、いつから何度の発熱があってその後どうなったかの熱の情報ももちろん大事ですが、普段とどのように様子が異なるのか、痛みはあるのか、便や尿はどうかなども合わせて伝える様に心がけて下さいね。