高齢者の転倒 コケないようにご注意を!
以前高齢者の転倒の記事をアップしましたが、大切な話なので内容を充実させてもう一度お話しします。
高齢者の対応で困るのはなんといっても転倒です。要介護となる原因疾患の中でも上位を占めています。
転倒すると大腿骨頸部骨折や腰椎圧迫骨折を起こして長期間入院することになります。
入院中は環境が変わることもあり、認知症症状が進行したり、せん妄を引き起こしたりします。
手術をした場合も早い段階からリハビリを行いますが、高齢者の場合には元の状態に戻らないことが多いのが現状です。
そうなると退院後に家族の介護負担が大きくなってしまうことがあります。
転倒の原因
高齢者が転倒する原因としては、
- 目が見えにくくなっていること、
- 平衡感覚が鈍くなっていること、
- とっさの時の反応が鈍くなっていること、
- 起立性低血圧や迷走神経反射を起こしやすいこと、
- 複数の薬剤を内服していること
などが挙げられます。
骨折の原因
骨折になりやすい原因として、高齢者の場合は骨粗しょう症があげられます。
人は20歳の頃をピークに、年齢とともに骨が徐々にもろくなってゆきます。
特に女性の場合は、閉経後に女性ホルモンの減少の影響から急速に骨がもろくなっていきます。
骨の脆さを測る指標として「骨密度」があります。この骨密度が20歳の頃と比べて7割以下になると骨粗しょう症の診断となります。
また圧迫骨折を一度でも起こした人は、骨密度が7割以上でも骨粗しょう症です。
このように転倒しやすく、かつ骨折しやすいのが高齢者です。
骨折の予防
骨折しないようにするには、できるだけ骨折しにくい環境にすることが大切です。
具体的には、手すりをつける、床を滑りにくい材質にする、物を床におかない、照明を明るくするなどが考えられます。
高齢者になると夜間頻尿になることがあります。ご本人との相談が必要ですが、夜間はポータブルトイレを使用する、或いは寝室の場所をかえるなどの工夫も必要かもしれません。
また骨粗しょう症の予防としては、食事の面でカルシウムを多くしたものにするなどの工夫も大切です。
骨粗しょう症の診断がつけば、薬を使って補うことも必要になってきます。
誰でもできるだけ長く健康な生活が送りたいですよね。健康寿命を長くするためには、転倒しないことが大切です。
転倒する環境では無いか、骨粗しょう症は大丈夫かなど日頃から気をつけておいて下さい。