絶対ダメ!介護離職


高齢の親の介護が必要になった時に、子どもが主介護者である場合には、体力的、精神的、経済的な負担が大きくなります。少子化の影響で頼れる兄弟も親戚もなく、介護者は疲弊します。そして、介護負担が一定以上になると仕事との両立が困難となってきて、どうにもいかなくなって離職せざるを得ない状況になります。

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介護が原因の離職を『介護離職』といいます。

本日は、介護離職は個人にとっても、社会にとっても損失である事、そして、絶対に離職せず各種制度を上手く使いましょうというお話しです。

離職後の経済基盤

一旦離職してしまうと、経済的基盤がなくなり、金銭的に非常に困窮を極めます。離職後の生活資金は、預金と親の年金が頼りになります。
現在ご高齢の方は、比較的年金も充実していますので、会社員で定年まで勤めた方であれば、それなりの金額にはなります。
それに加えて、持ち家の場合であれば、生活を切り詰めれば何とか生活は可能かもしれません。持ち家もなく、年金、預金もない場合は、『生活保護』受給が必要になる可能性もあります。

それでも、何とか親(被介護者)が生きている間は未だ良いのです。いずれ亡くなる時が来ます。その時、特別な資格、能力のある方を除いて今より年齢も重ねての再就職は困難です。そうなると元介護者は社会復帰が出来ません。
これでは、今後訪れる多死社会で、労働人口が減少して社会的に大きな損失になってしまいます。

支援制度

政府もこのような介護離職を無くす方策を色々と打ち出しています。
厚生労働省が、育児や介護を行う方を対象として、支援制度を定めています。以下に示すのは、厚生労働省の支援制度の一覧です。

  1. 介護休業
    労働者は、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算して93日まで、介護休業をすることができます。
  2. 介護のための短時間勤務制度等の措置
    要介護状態にある対象家族を介護する方が希望した場合に、事業主は短時間勤務制度その他 の措置(短時間勤務制度等の措置)を講じなければなりません。
  3. 介護休暇
    要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、事業主に申し出ることにより、対象家族が 1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で休暇を取得することができます。
  4. 法定時間外労働の制限
    要介護状態にある対象家族の介護を行う労働者が申し出た場合には、事業主は、1か月24時間、1年150時間 を超える時間外労働をさせてはなりません。
  5. 深夜業の制限
    要介護状態にある対象家族の介護を行う労働者が申し出た場合には、事業主は、その労働者を深夜(午後 10時から午前5時まで)において労働させてはなりません。
  6. 転勤に対する配慮
    事業主は、労働者に就業場所の変更を伴う配置の変更を行おうとする場合に、その就業場所の変更によって 介護が困難になる労働者がいるときは、当該労働者の介護の状況に配慮しなければなりません。
  7. 不利益取扱いの禁止
    事業主は、介護休業など1~5までの制度の申出や取得を理由として、解雇などの不利益な取扱いをしてはなりません。

上記の制度は全ての労働者に適用されるわけではありません。
勤続年数が1年以上、休暇後にも復帰を予定しているなどの条件がある場合があります。
また、それ以外にも、各々職場でも独自に制度を設けているところもあります。

各制度を上手く利用して、離職することなく、介護を続ける事を是非とも検討して下さい。

絶対ダメ!介護離職です

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