「元気出せ」は大きなお世話
梅雨前線が日本列島に停滞し、約1ヶ月間雨模様が続く梅雨。毎年の恒例行事ですが、この季節を皆さんはどのように乗り越えていますか?
気圧の変動、湿度の上昇など気候的変動が多いこの時期に、体調を崩す人は多いのです。
実は『うつ病』の人も、この時期体調を崩しやすいのです。
今日は『うつ病』の方への接し方についてのお話しです。
職場にいる『うつ病』のかた
『うつ病』は一生の間に10人に1人はかかると言われている病気で、死ぬ病気であるという事は以前お話ししました。一旦『うつ病』を発症すると治療には長く時間がかかり、状態によっては休職、入院も必要です。
みなさんの身の回りにも、きっと『うつ病』で苦労されている方がいらっしゃると思います。
幸い内服治療によって職場復帰が出来た方でも、この時期には状態が悪化しやすくて元気がない状態になっているかもしれません。
そんな方に対して、周りの人が良かれと思って、飲み会を企画したり、旅行に誘ったりすることが良くあります。しかし、これは本人には辛くて迷惑なことなのです。
元気付けは御法度
人は、元気が出ないとかストレスが溜まった時には、ぱっと飲んで大騒ぎするとか普段と違うことをやって楽しむことによってリフレッシュ出来ると考えがちです。
しかし、これは脳が正常に働いている人の感覚です。
新たな行動を起こすには、相当のエネルギーが必要なのですが、この脳内のエネルギーが非常に少なくなった状態が、『うつ病』なのです。
したがって、『うつ病』の人は何か行動を起こす事によって、リフレッシュ出来るということはありません。かえって僅かしか残っていないエネルギーが枯渇してしまい、状態を悪化させることにもなりかねません。
では、どうすれば良いのでしょうか。まずは、無くなってしまったエネルギーを貯めることが必要になります。エネルギーを蓄えるには休養しかありません。
気持ちの塞いでいる家族に、友人に、あなたが『何とか元気付けたい』という気持ちは分からないわけではありませんが、状況をみてそっと見守ることも必要なのです。