高齢者の転倒
人間、歳をとってくると、転倒しやすくなります。
これは年齢とともに視力が衰えて『平衡感覚』が鈍くなる事や、立ち上がり後に血圧が低下する『起立性低血圧』になりやすいことが原因としてあげられます。
加えて、薬を複数飲んでいる事が多く、薬の影響も原因の一つと云われています。
転倒して問題になりやすいのは、頭部・顔面の怪我と骨折です。
お年寄りは骨がもろくなっているので、少しの刺激でも骨折しやすいのです。
骨折で多いのは背骨がつぶれる『脊椎圧迫骨折』と足の付け根で折れる『大腿骨頸部骨折』です。
『脊椎圧迫骨折』の場合はコルセットをして、痛み止めで様子を見ることになります。
『大腿骨頸部骨折』の場合は寝返りも打てなくなるし、オムツ交換時の痛みがあるので本人も辛く、また介護負担も大きくなるために高齢者でも手術になることが多いです。
手術となれば、その後、約1ヶ月は最低入院する事になります。
その間に筋力も低下し、認知症が進行する事も良くあり、場合によっては寝たきりになる事もあります。
お年寄りは一旦入院すると、元の状態に戻って退院する事は少なく、生活のレベルが下がる事が多くなります。
したがって、出来るだけ入院しない事が大切ですし、転倒に十分注意する事が必要になってきます。